小学校受験

【小学校受験】お受験の運動対策 塾に通わずできる練習方法を公開

小学校受験は子供のさまざまな側面を見られる総合的な試験(に加えて、親の面接なども・・・)となります。

yoko
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多くの学校は運動考査も入ってきます。

ペーパー(筆記)試験対策はなんとかできそうだけれども、運動については何をどう準備したらいいかわからない、という方も多いのではないでしょうか? 事実、最近はペーパーの対策をしている塾と同じぐらい、運動の対策をする塾も出てきています。大手のスポーツジムチェーンなどに行けば、「お受験体操コース」が用意されていることも珍しくありません。

ペーパー対策はこの塾、運動対策はこの塾・・・と複数の学校に通われているご家庭も多いのではないでしょうか。

中には「この学校対策の運動はこの教室。こっちの学校対策の運動はまた別の教室」と言ったふうに、運動考査の対策だけに複数箇所に通われている方もお見受けします。

その熱意は良いのですが、はたしてそれは必要なのでしょうか

我が子は運動があまり得意な方ではなく、完全なインドアタイプでしたが、塾に通わずとも志望校に合格できました。今回はその方法についてお話ししていきたいと思います。

サーキットの難易度に惑わされないで!

運動・体操の難関校としてよく上がるのが成蹊小学校や早稲田実業小学校ではないでしょうか。これらの学校にはしばしば「サーキット」と呼ばれる考査が登場します。

  • 例えば
  • スタートラインの後ろに立つ
  • 笛が鳴ったら右足から踏み出す
  • そのまま右足でケンケンをしながら、青いコーンを左回りする
  • 左回りをしたらクマ歩きでボールまで行く
  • ボールを拾って、両手で下手投げをしてバスケットに入れる
  • バスケットに入ったら今度は走って次のポールに・・・
  • と言った「一連の動きを、見本の通りに行う」というものです。

これ、初めて見た時に「絶対できるわけないよ・・・」と思いませんでしたか?

sota
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私たち夫婦もはじめてサーキットを目の当たりにした時に血の気が引いたのを覚えています。大人の自分ですら覚えられないのに、子どもができるわけがない!と受験を諦めようかとすら思いました。

極め付けは運動塾の先生がたがよく言う「脅し文句」です。

「ペーパーが満点の子でも、スタートラインを踏んでしまったから不合格になりました!」
「ボールをバスケットに入れられなかった子は残念ながら受かりません」

こういうセリフを聞いたことはないでしょうか?

塾に子供を通わせている身としては、先生の言うことを信じるしかありません。

yoko
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「そんなに厳しいんだ・・・」とショックを受けることでしょう。

ですが、実際のところこのようなセリフはおどしで言っていることがほとんどだと思います。向こうも商売ですから、そうやって生徒や親を焚き付ける必要があるのでしょう。実際に合格した子供達の声を聞くと、ちょっと失敗した程度で脱落ということはほとんどないことがわかります。もちろん、私もありとあらゆる子供の話を聞いたわけではありませんが・・・。しかし、そこまで思い詰める必要もないと思います。

もちろん、「全部完璧にできた子」と「間違えた子」がいたとして、前者が合格する可能性は高くなるでしょう。間違えまくっても良い、ということを言いたいわけではありません。ただ、「完璧を目指す」のはかえってストレスになってしまいますので避けた方がいいと思います。

大事なのは「やり抜く姿勢」です。

一回限りのお手本を真剣に見て、その通りにやろうと努力する姿が大事です。

先ほどの例で言うと、サーキットであれ、そこまで難しいことを実は要求されていません

「走る」「片足でケンケンする」「ボールを投げる」と区切って考えると、内容はシンプルですよね?

sota
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考えてみれば、小学校受験は結局5歳・6歳の子どもが受ける試験です。そんなに難しいことを要求されているわけではないのです。一部の学校は違うかもしれませんが、プロスポーツのトライアウトではないのですから、難易度は高くありません。

運動考査を攻略する上で各課題を「やり抜く」ことが大事となりますが、そのために必要なのは「基礎的なことを、しっかりとやれる」状態に持っていくことでしょう。

ここでは、この「基礎的なことをしっかりとやれる」状態にどうやって持っていけばいいか、解説していきたいと思います。

運動考査の練習は「足の力」「ボール操作」「体幹」で全て決まる

小学校受験の運動考査で出てくる項目を考えてみましょう。

「持久走」「鉄棒ぶら下がり」「クマ歩き・クモ歩き」「ボール投げ」「ボールのドリブル」「幅跳び」・・・。

これらをカテゴリに分けるとしたら「足の力が重要なもの」「ボールの操作が重要なもの」「体幹が強い必要があるもの」に分けられると思います。

とすれば、この3つを鍛えればいいのです。そして、これらを鍛えるために塾に通う必要はありません。基本的に公園あるいは体育館(要は走れる程度の広さがある場所)で練習ができます。我が子の場合は、家の前に車があまり通らない道路があったので、そこで練習をしていました。あとは週に一回、公民館にある体育館が無料開放されている日を利用していました。

怪我をしないことが何よりも大事ですので、運動する際は服装や靴に注意をされると良いと思います。本番と全く同じ服装で練習をするといいと言われることもあると思いますが、基礎練習においてはそんな必要はないと思います。まずは体を動かすことに徐々に慣れていけば大丈夫でしょう。

さて、各要素の練習法についてみていきたいと思います。とはいえ、やることは非常にシンプルです。

「足の力」の鍛え方

簡単です。歩く・走るをすればいいのです。

yoko
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私たちは朝の幼稚園通園を「歩き」に変えました。

子供に長時間歩かせるのはかわいそう、と言う意見もあるかもしれませんが、20分から30分程度歩くことができなければおそらくそれは受験以前の問題だと思います。もちろん夏場など日差しや天候には十分気をつけた上で実施することが大事ですが、毎日お手軽にできて確実に効果があることは「歩く」ことです。

体育館に行った時などはたまに子供と一緒に走ったりしていましたが、日々の積み重ねが大事です。

日々の積み重ねで足の筋肉がついてくれば、スキップやケンケンなどの足の力を使うものが十分にできるようになります。同じく幅跳びなども、足の力がものを言います。

「ボールの操作」の鍛え方

ボール操作はもう少しコツが必要です。普段から幼稚園でドッジボールなどをして遊んでいるお子さんならすぐに慣れるかもしれませんが、我が子はとにかくボールが苦手でした。

まずは両手でボールを持って、「真上に投げてキャッチする」「ボールを落として、両手でキャッチする」と言うシンプルな動作から練習しましょう。慣れてきたらこれを歩きながらやります(転ばないように注意。また、ボールを落としてしまった場合、車など周囲に気をつけるようにしましょう)。

これができるようになったら、「真上に投げて、手を叩いてからキャッチする」「ボールを落として、ボールの上で手を叩いてからキャッチする」と言う「手を叩く」動作を入れるようにします。これは実際に出題される傾向がある内容です。こちらも慣れたら歩きながらやるようにしましょう。

次に片手ドリブルです。個人的に、これは「狭いところで練習する」のが効果的だと感じました。

具体的には、我が家では玄関の靴を脱ぐ場所でボールをつく練習をしました。

なんでこれが効果的かというと、ドリブルをしているうちに無意識に体が動いてしまいます。ボールが毎回同じところに着地しないから、次第にずれてきてしまうわけですね。

ですので、あえて「狭いところ」で練習をしました。玄関ですから、普通に靴などが置いてあります。など障害物にぶつかってしまうとボールはあらぬ方向に飛んで行ってしまいます。だからこそ、子供は気をつけてボールをつくようになります。

玄関での練習のもう一つの利点が、「室内だから安全」と言う点です(ボールが転がっていて家具などにぶつかる危険はありますが・・・)。慣れないうちのドリブルは、ボールがついついあらぬ方向に飛んでいってしまいがちです。小さい子供はボールを追いかけることに夢中になるので、道路に飛び出してしまったりするリスクがあります。室内であればその心配はありません。

同じ場所でひたすら片手でドリブルするのに慣れてきたら初めて歩きながらの動作を入れても良いでしょう。歩きながらができるようになったら次は走りながら。走りながらができるようになったらポールを回るなどの練習ができるようになります。

Screenshot

ドリブルのコツについて詳細に記載することはしませんが、指先でボールを押す意識をさせると(手のひらでつくのではない)ボールをよりコントロールしやすくなります。またポールを回るなどをする際は、ボールよりも体を回すことを意識すると小回りが利きやすくなるでしょう。いずれも、コツコツ練習すれば必ず誰でもできるようになります。

遠投は出る学校と出ない学校があり、「下投げ・上投げ」「ボールの大きさ・材質」が異なるためなかなか練習がしづらいと思います。ただこれも、ドリブル練習をする際にパパ・ママとキャッチボール的にボールを何度かパスしていれば「投げる」「キャッチする」の練習になるので良いと思います。

ちなみに「鉄棒ぶら下がり」のような腕の力を必要とするものも、こうしたドリブルを通してある程度補えることができると思います。

我が子はあまり鉄棒練習をしていなかったですが、ボールを使ったドリブルや遠投で腕の力がついたのか、何もしていなかった頃に比べて格段とぶら下がり時間が増えました。

「体幹の強さ」の鍛え方

片足立ちを毎日練習しましょう。

片足で1分ずつ、手を横に羽のように広げて一本足で立つというのを練習するとかなりバランス感覚と足腰の強さがつきます。

最初は5秒程度でヨロヨロつまずいてギブアップしてしまっても、1ヶ月程度毎日寝る前に練習していたら1分間立つことができるようになりました。

sota
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シンプルに足の力、そして体のバランス保持力が鍛えられるのでおすすめです。場所を選ばないのも嬉しいですし、片足ずつで合計2分で終わる手頃さもありがたいですね。

シンプルなトレーニングで確実な結果を

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これらシンプルなトレーニングを繰り返すことで、最終的には複雑なサーキットにも対応できるようになりました。

体操系の塾に行くと、「サーキットをやること」が目的になっていることが多いです。ホイッスルを鳴らして「さあコーン右回り!次はドリブル!左足ケンケン!」みたいに軍隊のようにトレーニングをしているところも見たことがありますが、「サーキット」が目的である必要はないと思います。

つまり、サーキットを構成する各要素をしっかりと抑えれば良いわけで、そもそもそれらの要素はシンプルな内容ばかりです。

基礎トレーニングをしっかりと時間をかけて続けていけば確実にモノになります。

逆にいえば、週に1回体操教室に行っていても、「頭では理解しているけど体がついていかない」状態になると思います。

そこで塾のコーチの方々が「⚪︎⚪︎ちゃんはドリブルが苦手だから、ボールの特訓クラスを受けましょう」「⚪︎⚪︎くんはサーキットが苦手なようなので、サーキット総合復習を受けてください」と言った個別指導を促す場面があると思います。

yoko
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私のママ友も、あれが足りないこれが足りないと促されて、夏だけで10万円も体操クラスに使ってしまったそうです。

もちろん、それが悪いと言うつもりはありません。苦手なところを克服するのは大事です。

ですが、1時間や2時間の授業を受けただけで、劇的に変わるでしょうか? 答えはNOだと思います。

大事なのはシンプルなことを何度も何度も繰り返すことです。そうすることで基礎的な能力が上がるのです。小学校受験は5歳や6歳の子供が受けるものです。繰り返しますが、プロスポーツのトライアウトではありません。その年齢の子供が普通にできることしか試験には出ないのです。

大事なのは集中する力

サーキット問題は「集中力」が大事です。どの足からスタートしているとか、どの順番で何をするとか、そういった諸要素の組み合わせが何だったのかを集中して見て覚える力が必要です。

これは数時間トレーニングして身につくものではありません。日々の積み重ねです。ですが、その積み重ねは別に毎日サーキットをやると言うわけではありません。

ペーパーの「お話の記憶」問題だって、「集中する力」が必要な最たるものです。

お受験勉強を通して、結果的に身につくものです。

ですので、実は我が子にはサーキットの練習はほとんどさせたことがありません。ですが、「先生のお話をしっかりと聞いて、指示を理解する」ことが大事だと言うことは何度も話しています。

その結果として、サーキットであろうが指示が複雑な巧緻性の問題であろうが、丁寧に取り組むことができました。

sota
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総合力がものを言うのです。そして総合力は別に無理して育てるようなものではありません。むしろ、トレーニングのしようがないとすら言えるかもしれません。総合力は小さなことの積み重ねの結果として現れるものです。

ですので決して臆することなく、体操のステップアップをまずはできるところから着手するのが、実は一番ゴールへの近道なのだと私たちは考えています。

  • この記事を書いた人

ヨーコとソウタ

東大卒でバイリンガルのソウタと、保育士・幼稚園教諭のヨーコがモンテッソーリ教育をベースに「子供に無理をさせず、良いところを伸ばしていく」ことを意識して日々育児を行う様子を綴っています。二人とも平成生まれ、二児(女の子と男の子)を育てています。

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